公開日 2024年3月18日

日本株の特性 ~長期投資が報われず分散効果も小さい~

為替相場を通じて、日本株の価格と外国株、外国債券の価格が連動する形になっている。このように、現在の日本の状況を考えると、日本株と他の資産の動きの連動性は大きい。つまり、分散投資によるリスク低減効果は小さなものになる可能性が高い。
日本株の特性 ~長期投資が報われず分散効果も小さい~

現在の日本株の割高度合いは1989年末とほぼ同程度

1月から新NISA制度が始まり、また、日経平均株価が34年ぶりの高値に上昇したこともあり、国民の間で株式投資熱が高まっている。

だが、ここからの「買い」には十分な注意が必要だろう。

まず、先月の筆者のレポート「1989年当時に比べ現在の日本の株価は割安か?」で述べた通り、株式益回り(株価収益率)、金利、成長性の3要素を加味した株価の割高度合いは、1989年末とほとんど同程度の割高さである。

1989年当時は株価収益率(株価÷1株当たり利益)の高さが際立っていたが、実は、その高さを支えていたのが、6%という日本経済の高成長だった。

これに対して、現在の株価収益率は1989年当時ほど高くない。そのため、「株価は当時ほど割高ではない」という見方が多い。

だが、当時と比べ日本の経済成長率の低下は目を覆うばかりで、今や日本の潜在成長率は1%未満だ。低成長分を補っているのが、異常な低金利である。

言うまでもなく、日銀は異常な金融緩和策を正常化しようとしている。株価を支えている「低金利」がなくなれば、株価の割高度合いは一段と強まることになる。

日本株の場合、「長期で投資すればリターンが得られる」は間違い

新NISAを勧めようとする評論家の中には、「株価は日々の変動が大きく、短期的に上下することがあるが、長期の投資を続ければ、必ずリターンは得られるはず」と言う人も多い。

だが、日本株の場合、この指摘は当たっていない。実は、日本株の場合、長期投資が必ずしも報われない。

例えば、毎月1万円ずつ、日経平均株価(連動型投資信託など)を、20年間購入した場合にどうなっていたかを検証してみよう。

過去の実績をみると、1970年1月から1989年12月までの期間で言えば、毎月1万円、20年間で総額240万円の投資は、1989年12月時点で、約6.7倍の1,607万円になっていた計算だ(図1参照)。

リアルインテリジェンス240318101.png

しかし、1983年5月から2003年4月までの20年間では、総額240万円の投資は2003年4月時点で115万円だった。元本割れどころか、半値以下になっていた計算だ。

1989年3月から2009年2月までの20年間でも、総額240万円の投資は2009年2月時点で118万円とやはり半値以下になっていた。

現在、株価が値上がりしているために、確かに、直近23年2月までの20年間(2000年3月~23年2月)の総額240万円の投資は624万円と約2.6倍になっている計算だ。

だが、過去の実績からみて、そうしたラッキーなことが今後も続くとみることはできない。

実際には、1989年12月から2023年2月までの34年3か月の期間のうち、元本割れだった期間は2000年10月~2006年11月、2007年11月~2013年2月で、累計11年7か月あった。

つまり、過去の実績からみて、日本株への長期投資は、3分の1程度の確率で、元本割れになる可能性があると言える。

日本の個人投資家の多くは、短期で材料株を物色する向きが多い。

だが、「長期投資が必ずしも報われない」という、日本株の特性からみて、自然なことかもしれない。

これに対して、米国株の場合、長期で投資していれば、確実にプラスのリターンを得られた。

同様に、例えば、毎月100ドルずつ、ニューヨークダウ(連動型投資信託など)を、20年間購入した場合にどうなっていたかをみてみよう。

これをみると、最もパフォーマンスの悪かった、リーマンショック直後の2009年2月までの20年間での投資でも1.24倍と元本割れすることはなかった。

・・・

続きを読みたい方は、「イーグルフライ」よりご覧ください。
2024/3/18の「イーグルフライ」掲示板より抜粋しています。

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新見未来

エコノミストとして、シンクタンク、投資顧問会社などで経済分析、資金運用とアセットアロケーション業務に携わる。

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