公開日 2023年1月23日

原油価格動向

早めの金融緩和観測が、現在行われている金融引き締め策のインフレ抑制効果を限定的にしていることから、FRBとしてはより高い水準まで政策金利を引き上げていかなければならないだろう。
原油価格動向

需給緩和下で原油価格、ガソリン価格ともにじり高推移を続けている

原油WTI価格は昨年6月の122ドル/バレルをピークに12月9日の71.0ドルに下落したが、その後はじり高となって、1月20日現在81.3ドルと上昇した。

米国内ガソリン価格も同様に上昇しており、オクタン価93のガソリン価格は昨年6月に5ドル/ガロンまで上昇したあと、12月16日には2.4ドルと半値以下に下落したが、その後反発し、1月20日現在3.1ドルと上昇した。

原油、ガソリン価格の反発は、これらエネルギーの需給が逼迫していることを窺わせるが、実際には、需給はむしろ緩和気味だ。

1月のIEA、オイルマーケット・レポートによれば、世界の原油需要は22年に日量9,990万バレルとなり、19年の同9,980万バレルを上回った(図1参照)。

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原油需要の水準からみればコロナ前に戻ったことになる。そして、IEAによれば、23年の原油需要は1億170万バレルに増加する見通しだ。

ただ、22年後半以降、原油需給は、供給が需要を上回る状態は続いている。21年暦年でみると日量230万バレルという大幅な需要超過だった。需要超過は22年1~3月(80万バレル/日の需要超過)まで続いたが、22年4~6月の需給はほぼ均衡した。

その後、22年7~9月が50万バレルの供給超過、10~12月が100万バレルの供給超過となった。

世界の原油需給が22年後半以降、供給超過に転じた大きな理由は、以下の事象などによる。

  • ロシアのウクライナ侵攻を契機とした西側の対ロシア制裁により、
    ロシアの原油生産が大幅に減少すると予想されたが、
    実際にはロシアの生産は思ったほど減少しなかった
  • ロシアの原油生産が大幅に減少すると見込まれたことに対応して、
    米国などが積極的な増産を行なった、

IEAは23年1~3月以降のOPECの原油生産の見積もりを行なっていないが、仮に、23年1~3月以降のOPECの原油生産が22年10~12月比横ばいの2,940万バレルだとすると、23年1~3月の原油需給は130万バレルの供給超過、4~6月も20万バレルの供給超過となる見込みだ。

23年後半の原油需給

23年後半の原油需給は、IEAの楽観的な原油需要見通しによれば、需要超過に転ずる見込みだが、あてになるものではない。

IEAは23年10~12月の原油需要が1億350万バレルと、前年同期比300万バレル増加すると見込んでいる。しかし、通常、原油需要は景気拡大期でも年率100万バレル程度にとどまる。

例えば、2016年から2019年までの3年間で、原油需要は320万バレルしか増加しなかった。ましてや、この先、世界経済が後退局面に陥るという見通しが主流になりつつあるなかで、IEAが想定するような、原油需要の大幅増加シナリオは非現実的だろう。

OPECの生産が横這いであるとすれば、原油需給は23年1年間を通じて供給超過が続くとみられる。

ガソリン需給

ガソリン需給も緩和している。ガソリン在庫は例年年初に急増するのが普通だが、今年も例年通り、増加している。

ガソリン消費

ガソリン消費も低迷したままだ。図2にみる通り、昨年年央までのガソリン価格急騰により、ガソリン需要は、前年比マイナス圏で推移した。

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現在ガソリン価格は大きく下落したが、ガソリン需要はやっと前年比ゼロ程度まで持ち直したに過ぎない。

ガソリン在庫が例年通り、増加しているのも、需要が伸びていないことが原因だ。価格下落にもかかわらず、今のところ、ガソリン需要は低迷したままであることがわかる。

・・・

2023/01/23の「イーグルフライ」掲示板より抜粋しています。
続きを読みたい方は、「イーグルフライ」よりご覧ください。

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エコノミストとして、シンクタンク、投資顧問会社などで経済分析、資金運用とアセットアロケーション業務に携わる。

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