公開日 2022年12月26日

インフレ持続で日本でも金融緩和見直しの必要

エネルギーなどで強力な価格統制を実施している日本だけが、安定的な2%の物価上昇が達成できていないとして、大規模な緩和政策を続けているのは、何とも異様なことと言わざるをえない。
インフレ持続で日本でも金融緩和見直しの必要

YCCの上限はあと0.7%ポイント程度引き上げることが必要

日銀はようやくYCC政策の見直しに踏み切った。

5月3日のレポートでも指摘したことだが、
YCC政策には以下のような4つの問題がある。

1.市場の動きを無視

YCC政策は、長期金利の適正水準を日銀自身が決め、
長期金利上昇を人為的に低めに抑制しようという政策である。
市場の自動調節機能は働かず、市場動向を政策に反映させることもできない。
結局、日銀は市場の動きを無視することになる。

2.円安を加速

YCC政策は名目金利を固定させる政策であるため、
インフレになると実質金利は低下する。
そのため、インフレ懸念が高まる時、さらにインフレを加速させることになる。
これが円安を加速させた。

3.国債の買い占め

YCC政策のため、長期金利が上昇しようとする時、
日銀は金利上昇を抑制するため、無制限に国債を購入しなければならない。
結果として、日銀が市場の国債を買い占めてしまい、
国債市場が干上がってしまうおそれがある。

4.中央銀行としての立場

YCC政策は、人為的な低金利政策によって財政負担を軽減するものであり、
その政策を見直そうとする場合、直接、政府の財政負担を増やすことになる。
YCC政策実施の結果として、日銀は自ら中央銀行としての独立性を
失いかねない状況に陥っている。

こうした問題があることから、経済環境が再びデフレ状況に戻ってしまう
ということでもなければ、YCC政策の修正、撤廃は時間の問題だった。

今回、長期金利の変動幅は
ゼロプラスマイナス0.25%からゼロプラスマイナス0.5%に拡大されたが、
十分でないことは明らかだ。

世界的にインフレが進むなかで、YCC政策によって、
日本の実質金利は世界的にみて低い水準に抑えられている。

実質長期金利に相当する10年もの物価連動債利回りは、
YCC政策修正後の23日時点で、
米国がプラス1.5%、ドイツがプラス0.2%なのに対し、
日本はマイナス0.5%となっている(図1参照)。

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低めのドイツ並みの実質金利に揃えるとしても、
0.7%ポイント程度の上昇が必要であり、
長期金利の上限は0.5%から1.2%程度に引き上げる必要があることになる。

言い換えれば、10年国債利回りが1.2%程度になるまでは、
市場からのYCC政策修正圧力が続くことになるだろう。

・・・・・

2022/12/26の「イーグルフライ」掲示板より抜粋しています。
続きを読みたい方は、「イーグルフライ」よりご覧ください。

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エコノミストとして、シンクタンク、投資顧問会社などで経済分析、資金運用とアセットアロケーション業務に携わる。

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