公開日 2020年8月13日

米国株全体の上昇の要因となったGAFAの収益

現在の米国経済の成長、米国株価の上昇を牽引していると言われるのが、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルなど、GAFAと呼ばれる企業だ。4社の利益は、最近の株価の上昇を説明できるものなのだろうか。
米国株全体の上昇の要因となったGAFAの収益

アマゾン、アップルの4~6月の利益は増加したが、巣ごもり消費が原因か?

グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルなど、GAFAと呼ばれる企業は、いずれも、ITを使った各種サービスの共通基盤になるインフラを提供するプラットフォーマーであり、現在の米国経済の成長、米国株価の上昇を牽引していると言われる。

先日発表された4~6月の決算でも、4社の収益は予想外に好調だったとされ、これが足元の米国株全体の上昇の要因になった。4社の利益はいったいどの程度好調なのか、最近の株価の上昇を説明できるものなのか、それぞれ詳細をみてみよう。

まず、グーグルの親会社であるアルファベットの1株当たり利益の動向をみてみよう。

アルファベットの1株当たり利益は安定的に高い成長率を維持しており、14年~19年の5年間での平均成長率は12.1%と高い。

ただ、最近では、19年の1株当たり利益が前年比14.7%減とマイナスに転じ、20年に入ってからも1~3月前年同期比8.9%減、4~6月同25.6%減と減少傾向だ。

次に、アマゾンはどうか。

アマゾンの1株当たり利益は2014年頃までは低水準で推移していた。利益が伸び始めたのは18年以降のこと。

2017年までの利益水準が非常に低かったため、14~19年の5年間で1株当たり利益は約21倍(平均成長率は84.2%)だったが、この増加率が今後も続くとみるのは適切ではない。

19年以降も成長は持続しているが、利益増加テンポは幾分鈍化しており、19年は前年比17.6%増となった。

20年に入ってからは、1~3月に前年同期比44.9%減と落ち込んだあと、4~6月は同23.9%増と再び増加した。

4~6月の米企業業績が全体として大幅に落ち込むなかで、アマゾンの利益が4~6月の利益が増加したのは、巣ごもり消費の増加によるものとみられる。

フェイスブックはどうか。

フェイスブックの1株当たり利益も15年頃までは低水準で推移していたが、16年頃から安定的に増加するようになった。

14~19年の5年間で1株当たり利益は約5.6倍(平均成長率は40.8%)と高かったが、これはアマゾン同様、14年時点の利益が小さかったからにほかならない。

19年も2桁増は続いたが、伸び率は前年比11.4%増と鈍化した。

20年に入ってからは1~3月が前年同期比3.2%減、4~6月が10.5%減とマイナスに転じている。

最後に、アップルはどうか。

アップルの1株当たり利益は比較的高水準で、安定的に増加している。

1株当たり利益の成長率は14~19年5年間で平均11.3%と2桁成長だったが、19年だけをみると前年比4.5%と伸びが鈍化した。

20年に入っても増益傾向は続いており、1~3月は前年同期比3.7%増、4~6月同18.3%増となった。

20年4~6月の大幅増益は、アマゾン同様、巣ごもり消費(パソコン販売の増加など)が影響しているように思われる。


このように、「GAFA」と一括りに言っても、利益の動向は各社さまざまだ。業態の違いや企業としての発展段階の違いなどが、利益の動向に大きな違いをもたらすためだ。

例えば、グーグルの利益は比較的以前から高水準で、19年にはすでに米中摩擦の影響などによる世界経済減速の影響を受けて減少し、20年に入ってからも利益減少傾向が続いている。

一方、アマゾンの利益が急増し始めたのは18年頃からで、19年以降も利益の高成長が続いている。ただ、20年の増益はコロナショックによる巣ごもり消費が原因とみられる、都市封鎖の解除などの措置が同社の利益にマイナスに作用する可能性があるだろう。

アマゾンの株価収益率は70倍近く、明らかにバブル水準に

では、こうした1株当たり利益の動向に対して、2015年以降、それぞれの株価がどのように動いているかをみていこう。

株価との相関が強いとされる予想1株当たり利益(アナリストが予想する各社当決算年度の1株当たり利益、ブルームバーグによる集計)の動きと株価の動きをそれぞれみてみよう(図参照)。

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まず、アルファベットの予想1株当たり利益は17年半ばにかけて増加し、その後、ほぼ横ばいで推移した後、18年秋以降は下向きで推移している。20年に入ってからも、利益予想は2割程度減少した。

これに対し、株価は2015年以降、ほぼ一本調子で上昇し、20年に入ってからも3月の一時的な調整場面はあったものの、上昇傾向が続いた。

結果として、15年時点では10倍以下だったPER(株価収益率=株価÷1株当たり利益)は、足元では29倍程度に上昇している。

次に、アマゾンの予想1株当たり利益は17年に減少、18年に増加に転ずるなど、振れが比較的大きい。アナリストの予想が、その時点によって大きく振れる傾向があることを示唆している可能性がある。足元では19年後半から20年5月頃にかけて減少し、その後、直近は再び増加した。

一方、株価は18年後半から19年末にかけて上昇一服となる局面はあったが、ほぼ上昇傾向で、20年に入ってからもほとんど調整場面もないまま、むしろ上昇テンポが速まった。

結果として、15年年初の時点では13倍程度だったPERは足元では70倍程度に急上昇した。70倍というPERは、利益の大幅増加が今後も長期にわたって続かなければ説明できない状態だ。

メルマガ&掲示板「イーグルフライ」より一部抜粋しています。

全文を読みたい方は、イーグルフライ掲示板をご覧ください。

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エコノミストとして、シンクタンク、投資顧問会社などで経済分析、資金運用とアセットアロケーション業務に携わる。

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