公開日 2021年10月15日

ベースロード電源を確保せよ!円安は加速する

エネルギー価格と為替相場は、どのような相関性があるのか。原油価格上昇や天然ガス価格の上昇に関連する通貨について解説しています。
ベースロード電源を確保せよ!円安は加速する

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ベースロード電源を確保せよ!円安は加速する

エネルギーの価格が上昇すると為替にどのような変化が起きるのか

WTI日足 10/13

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WTI原油先物は年初の約47ドルから上昇していき、ついには80ドルを超えて上昇していきました。

前大統領のトランプ氏の時には、原油を供給し、価格コントロールの主導権をOPEC(石油輸出国機構)に渡さない状態でした。しかし、現大統領のバイデン氏はそれを手放したため、現在の価格決定権はOPECにある状態です。

北半球はこれから寒くなってくる時期ですので、もっと原油需要が高まるのではないでしょうか。次に、原油価格が上昇するとどうなるのかを説明します。

カナダ円  日足 10/13

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原油価格が上昇すると一番相関性が高いのは、カナダです。当然日本は産油国ではないため、ドルカナダでもいいのかもしれませんが、日本はいま、エネルギーに対しては無防備なところがありますので、カナダ円が天下の高値のところまで91円まで上昇していきました。

カナダが産油国というイメージがついたのは、10年程前からでしょうか。それまで油田といえば北海油田で、原油価格が上昇すればポンドを買う流れとなっていました。最近では、原油価格が上昇するとカナダを買うという流れが顕著です。

最終的には、再生可能エネルギーへの転換に進むべきなのは理解できますし、共和党のトランプ氏もそのような考えです。しかし、原油価格が上昇してきて、1.5倍程度になったので、アメリカのカリフォルニアに住む友人は車が生活に欠かせないため、ガソリン価格が上がると生活にこたえると不満を述べていました。

バイデン政権では、この状態を放置するのでしょうか。再生可能エネルギーの方へ向かいたい左派の意見の影響も受けているため、原油価格が上昇することによって太陽光エネルギーなどの再生可能エネルギーの方へ進んでいくという期待から、原油は放置するのではないかと言われています。あまりにも上昇し過ぎてしまってもOPECは困るかと思いますが、上昇する感じが否めません。

コモディティのひとつであるエネルギー(原油)が上昇するとカナダが上昇するという相関性があります。

脱炭素と天然ガスの暴騰

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問題になっているテーマがあります。菅政権も宣言した「カーボンニュートラル」です。

世界中で電気を確保しなければならない状態になっていて、中国も電気不足で大変なことになっています。

電気の確保というのは、ベースロード電源が重要です。これは、コストが安く安定的に供給できる電力源のことで、典型的なのは原子力です。日本でも原子力発電でコストが安く安定的に供給していたものの、時代背景として世界的に原子力発電は使えなくなっています。安定的に供給できないとなると、他のベースロード電源を確保しなければなりません。

それ以外の電源とは、太陽光発電や風力発電で、これらはクリーンエネルギーと言われています。中国は世界的にクリーンエネルギーを牽引していこうという姿勢があり、太陽光発電に頼っていましたが、天候不順にて電源が確保できなくなり大変な事態になっています。欧州では偏西風が吹かず、風力発電にて電気が不足している状態です。

それでは、安定的に供給するには、どうすればよいのかというと「火力発電」です。

火力発電では石炭を使用するのですが、中国はオーストラリアと喧嘩し、オーストラリアからの石炭購入をやめ、ロシアから購入していました。ロシアからは足元をみられ、高い価格で購入することとなり、結果的には石炭価格が上昇し、オーストラリアは得したことになりました。

石炭を購入して電力をとりましょうということですが、石炭は二酸化炭素を多く排出し環境に悪影響を及ぼすということで、よいとはされていません。

では、何が良いのかというとLNG(液化天然ガス)です。これはオーストラリアからとれます。日本はカタールとオーストラリアとマレーシアより輸入しています。

もっと先の未来ですと液化天然ガスではなく、水素を分解して電気を作ったり、水素をそのままトヨタのMIRAI(燃料電池自動車) で走らせるというようなことになるかもしれませんが、直近ですとLNGが必要ということになります。

火力発電に頼ると安定的なベースロード電源を回すことができるので、そうなると資源国であるオーストラリアは強いということになります。

欧州天然ガス 8倍に高騰 ロシアの支援

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いま、中国をはじめ世界中で電気が不足しています。天然ガスがあちらこちらに必要になり、価格が高騰しましたが、一番高騰したのが、欧州の天然ガスで8倍に高騰しました。

日本には資源がないため、原油・LNGなどを購入しなければいけないという課題があります。海に囲まれているので、何かのテクノロジーが発達して水力発電をうまく運用していけるようになればいいですが、そのようになるまでには至っていません。

安定的でコストが安いベースロード電源の原子力が使用できないとなると日本は大変苦しいです。洋上風力発電などで運用できればいいのですが、今のところ火力発電です。そうなると、何かを燃やす必要がありますが、石炭を燃やすとなるとオーストラリアから購入が必要で、LNGにしてもオーストラリア・カタール・マレーシアから輸入が必要です。

クリーンエネルギーに向かえば向かうほど、風力発電と太陽光発電などの二酸化炭素を排出しないような安全で安定的な電力を供給できなければ、石炭とLNGが必要になるため、それを持っている資源国が強いことになります。そうなると、私のお勧め通貨である豪ドル円が上昇してくるのではないでしょうか。

天然ガス価格が上昇すると豪ドル円が上昇

豪ドル円 週足

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オーストラリアは鉄鉱石が非常に強いです。それを中国が購入してくれているため、価格が上昇しており豪ドル円が上昇していましたが、実は今、鉄鉱石は数カ月前の半値になって暴落しています。

鉄鉱石が落ちたのは、中国の景気が悪く需要がなくなったためです。豪ドル円を引っ張っていた鉄鉱石が落ちたものの、オーストラリアは資源が豊富にあり、鉄鉱石以外にLNGや水素もあります。

世界中で電気が必要で、直近で安定的に使用できるのが火力発電となると、前述した関係になります。

オーストラリア大陸はゴールドもありますし、なんでもあります。ニュージーランドは金利が上がるので良いと言われますがすでに織り込んでいます。オーストラリアは利上げするという発言はありませんが上昇しています。金利が上昇するよりも、エネルギー革命の方が重要になって、ポンドもあがっています。

原油価格が上昇するとカナダ円が上昇し、天然ガス価格が上昇すると豪ドル円が上昇します。

ドル円 月足

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対ドルでは来年以降、10年債金利が2%まで上がるとドル円が上がると思っていましたが、たかが1.6%までしか上がっていないのにドル円が上昇してきました。なぜかというと、日本には資源がないため、原油やLNGなどを買いにいかなければならず円売りになるだろうという流れがあるからです。

ドル金利が上がるとドル円は上がりますが、資源国通貨が上がってくることによっても円売りでドル円は上がるので、ドル円が上がる可能性は結構でてきていると思います。

自分がトレードする時は細かいチャートも見ますが、動くときはアベノミクスのように細かい時間軸は見なくてもよいぐらいの大相場、ゲームチェンジがあります。早めに円安になりつつあるので、気を付けたほうがよいかなという印象です。

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プロフィール

西原宏一

西原宏一

元外資系銀行チーフディーラー。 エフピーネット(株)インベストメントアドバイザー。 株式会社CKキャピタル代表取締役・CEO。 鋭い視点のファンダメンタルズ分析が強み。

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