公開日 2021年4月19日

空箱上場 米国SPACバブルと中国バブル崩壊の予兆?

現在、米国ではSPAC(スパック)と呼ばれるペーパーカンパニーの上場が大ブームでバブルの一方、中国では引き締めが始まろうとしています。
空箱上場 米国SPACバブルと中国バブル崩壊の予兆?

SPAC(スパック)はペーパーカンパニー

現在、米国ではSPACの上場が大ブームです。今年だけで約300社のSPACが上場しました。SPACとは、Special Purpose Acquisition Companyの略、日本語では「特別買収目的会社」と呼ばれる未公開会社の買収のみを目的として設立される会社のことです。

SPAC(スパック)は、自社では事業を行わないペーパーカンパニーのため、中身のない会社上場ゆえに「空箱上場(からばこ上場)」とか「裏口上場」ともいわれています。設立してからおよそ2年以内に魅力的な優良未公開企業を探し出して買収・合併します。買収された企業が存続会社となります。

ソフトバンクグループの出資先で、2019年に上場が頓挫したことで有名なシェアオフィス運営のWeWork(ウィーワーク)は米国でSPACを使い上場することが発表されています。魅力的な優良企業を買収すれば、株価上昇し投資家は値上がり益を得られるので、まだ見ぬ未公開企業への投資となります。金融系などの著名人や有名元スポーツ選手を大株主にし、そのネームバリューを使ってSPACブームを作っている側面があります。

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SPACのメリット

買収される会社のメリットは手間とお金がかからずスピーデイに上場できることです。通常、上場までに膨大な手間やお金、そして長い時間がかかるのですが、SPACに買収されると上場審査が簡単になるのです。

投資家のメリットは少額の資金で未公開株式取引に参加できることです。

SPACのデメリット

買収される会社には大きなデメリットは見当たらないですが、投資家にはデメリットがあります。白紙小切手会社(ブランク・チェック・カンパニー)とも呼ばれることもあるように上場後に問題が発生し株価が急落してしまうこともあり、ハイリスクな投資手法です。

電気自動車で有名な「テスラ」の兄弟のような会社名の「ニコラ・モーター」という水素燃料電池トラックの会社がSPAC(スパック)で上場しました。(テスラもニコラも有名な発明家ニコラ・テスラの名前が由来です)

ニコラの株価は上場後93ドルまで急騰したものの、3カ月後には16ドル台まで急落しました。原因は空売りを仕掛けていた投資会社が「ニコラはトラックの性能に対して誇大広告である」と公表したからです。

米証券取引委員会(SEC)も調査に乗り出し、ニコラ社が公開していた電動トラック自走映像が自走ではなく坂道を転がして自走に見せていたことを一部認め、創業者のトレバー・ミルトン会長は辞任することになりました。

SPACの上場では出資者は数億ドルの資金となりますが、スポンサー(設立者)は、たったの2万5000ドルを出資するだけで上場後の持ち株比率20%程度を得られます。それゆえ魅力的ではない企業の買収でもスポンサーは買収したことで大きな利益を生むため投資家の利益よりも自分たちの利益を優先する利益相反になりやすいです。証券業界では利益相反は禁止事項です。

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SPAC(スパック)ブームはバブルの象徴

SPAC(スパック)は、新規公開より手軽に、これから上場しそうな会社を前倒しして上場させる仕組みなので「上場の先取り合戦」が大ブームだということです。すでに優良な未公開会社が無くなっている状態です。

過去の歴史からもSPACの大ブームはバブル期の象徴的な現象ですが、それだけでバブル末期とはいえません。
但し、気になることが中国の経済動向です。

中国がバブル崩壊のトリガーになる?

米国が株式バブルになっているのと対照的な中国の経済動向がとても気になります。

今年、米国では約300社のSPACの上場をして大ブームとは反対に、中国では100社近い新規上場が中止となりました。中国では不動産や金融のバブルに警鐘を発していることから今後、バブル抑制のために金融引き締めをしていくと見られています。

中国の最大級のバッドバンクとも呼ばれる、不良債権受け皿機関の「華融資産管理」(華融)の決算発表が、3月末の期限に間に合わなかったために社債価格が急落し、市場ではバブル崩壊懸念が浮上しています。

また、10日、中国はアリババに独占禁止法違反で約3050億円の罰金を課すことを発表しました。
米国では米国の監査基準を満たさない中国企業を市場から退場させる規制をしています。

中国はリーマンショック後の金融危機を支えましたが、今の世界的なバブル崩壊のトリガーを引くのは中国になるのかもしれません。

ゴールデンウィークの株の急落に注意

4月は日本も海外も株が上がりやすい月ですが、4月末~5月の日本のゴールデンウィーク連休近辺は、株価が急落することが多いので要注意です。ストップロスは必須です。
ゴールデンウィークには毎年のように株価が急落していることを事前に知っておくと良いです。

現在、株は短期的には上昇に追従していくものの、長期投資や積み立てをスタートする時ではないと判断しています。

長期投資や積み立てを始めてよいのは、金(ゴールド)くらいだと思います。ただし、金(ゴールド)も金融危機再燃となると下落し、その後上昇となるでしょう。

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プロフィール

松島修

松島修

エフピーネット株式会社 代表取締役 投資助言・代理業 関東財務局長(金商)第1898号、インベストメントアドバイザー、経済コンサルタント、ベストセラー作家

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