公開日 2021年4月16日

オプションの壁を利用したトレード

「オプション」の動向を意識することは、為替を取引するうえでも欠かせなくなっています。 オプションバリアの上下では、さまざまな攻防が行われています。
オプションの壁を利用したトレード

西原宏一著 『30年間勝ち続けたプロが教えるシンプルFX 』(SPA!BOOKS)より一部抜粋しています。すべてを読みたい方は、こちらをご覧ください。

チャートに表れない情報がトレードに直結する

ファンダメンタルズとは少し違うかもしれませんが、「チャートに表れない情報がトレードに直結する」という意味では、「オプション」の動向を意識することが近年では欠かせなくなっています。

この数年、日本でも個人投資家が取引できる為替オプション商品が登場していますが、銀行やヘッジファンドが取引しているオプションとは商品性がだいぶ異なります。また、その種類もさまざまで、ここでは詳述を避けますが、ひとつだけ覚えてほしいのが、「オプションのバリア」です。

そして、「巨額のオプション・バリアが設定されたレートには到達しにくい」「巨額のオプション・バリアが設定されたレートを抜けると大きな動きになる可能性がある」ということになります。

実際のチャートで説明しましょう。下記の図は米ドル/円の4時間足チャートです。

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GI24などの為替専門ニュースで報じられていましたし、僕もメルマガや連載で何度も書いたのですが、このとき、1ドル83円に巨大なオプション・バリアが観測されていました。

この時期、非常に強い円安トレンドだったにもかかわらず、バリアに上昇を阻まれました。チャートの動きを見ると、「83円の壁」に3度トライしていずれも跳ね返されています。これをどう利用するか。

83円に厚い壁があるのであれば、その手前で売るのです。ただ、トレンドが上であることは明白ですから、あくまでも短期売買としてのショートで、損切りは83円よりも少し上です。

「83円の壁」の10銭手前でショートし、「83円の壁」の10銭上に損切りを置いておけば、リスク幅は20銭。小さなリスクで50銭、100銭といった大きな値幅を狙うリスク/リターン効率のいいトレードができるわけです。

オプション・バリアを抜けると大きく動く

オプション・バリアは「到達しにくい」と同時に、もうひとつ「抜けると大きな動きになる」という性質があります。この「83円の壁」に対して、僕はこうも書いていました。「83円のバリアを突破できれば、円安の流れが加速し、2012年高値の84.18円を超える円安が現実的になるでしょう。」

オプションバリアの上下では、さまざまな攻防が行われています。少々専門的な話になりますが、例えば、顧客が行使価格(ストライクプライス)78円のドルコール・円プット、消滅価格(ノックアウ卜、あるいはバリア)が83円のオプションを購入したとします。満期日までに一度たりとも83円に到達しなければ、顧客は満期日に78円で米ドル/円を買うことができるというものです。

「米ドル/円は、上昇見込みではあるが83円は大きな抵抗線となりそう」という相場観を具現化するため、また同じ行使価格のバニラ・オプション(消滅条件の付帯しないもの)と比べると当初の支払いプレミアム(オプション価格)が圧倒的に安いことから頻繁に利用されています。

為替のオプションと「防戦買い・防戦売り」

為替のオプションは多くの場合、銀行や証券会社、ヘッジファンドなどが相対で取引するので、オプションの売り手(例えば銀行)と買い手(例えばヘッジファンド)で利益は相反します。

オプションが成立すれば買い手は儲かるし、売り手は損をするといった具合です。それにともなってオプションにともなう為替市場でのカバー取引も正反対になります。

ここで注目されるのが、よく為替の分析で聞く、バリアの設定された価格に到達させまいとする、いわゆる「防戦買い・防戦売り」です。

オプションの売り手である銀行サイドがオプション価格から計算されるポジションをカバーするために、バリアの手前で「売り」を持ち込むのですが、オプションの買い手である顧客が、銀行サイドが売り手に回ることを利用して、実際にバリアをつけさせないために理論値以上の売りを持ち込むことがあるため、一般的には防戦売りといわれています。

もし米ドル/円が83円以上に上昇したらこのオプションは消滅し、78円で米ドル/円を買えるはずだった顧客は損失を被るからです。

この記事の続きはこちら「 ダブルノータッチオプションでの3つの戦略

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プロフィール

西原宏一

西原宏一

元外資系銀行チーフディーラー。 エフピーネット(株)インベストメントアドバイザー。 株式会社CKキャピタル代表取締役・CEO。 鋭い視点のファンダメンタルズ分析が強み。

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