公開日 2021年3月24日

デフレについて考えよう

日本では長く、デフレの時代が続いています。デフレとはなんでしょう?また、デフレの反対のインフレとは何でしょう?若い方にとっては生まれてからずっとデフレの時代だったので、今が普通の状態であると感じてしまうかもしれませんが、実はデフレが長く続く状態は深刻な問題なのです。
デフレについて考えよう

インフレ(インフレーション)とは?

あなたがいつも買っていたチョコレートパンが、昨日まで100円だったのが今日お店に行ったら110円になっていました。お店の人に話を聞いてみると、原材料の小麦粉やチョコレートの値段が上がっていて、今までの価格でパンを売っていると、お店が赤字になってしまうので、どうしても値上げするしかなかったということです。

値上げしないのならば、パンを小さくするしかないということです。お店としてはパンの質を下げたくないので、値上げをしたということです。いずれ原材料の値段が戻ったら、パンの値段も元に戻すと言われてあなたは少し安心しました。

これだけなら、一時的なパンの値上げにすぎないのですが、もしもこの値上げが続いていくとどうなるでしょうか?110円、120円、130円、200円というように。この値上げの連続が、パンに限ったことであれば、世の中の一部だけの出来事になりますが、もしも、世の中の全ての製品やサービスの値段が少しずつ上がっていくような事態が来たらどうなるかと考えてみましょう。

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製品やサービスの質や量が全く同じだとしたら、同じお金で買える製品やサービスの量が減りますよね。以前100円だったものが200円になったならば、1000円で10個買えていたものが今は5個しか買えなくなります。それだけお金の価値が下がったという事になります。

世の中のものが全体的に値上がりした場合、お金の価値の面から見ると、お金の価値が下がったということになります。このような状態が続くことをインフレーションと言います。

デフレ(デフレーション)とは?

デフレはインフレとは逆に、お金の価値が上がることです。同量のお金で買えるものの量が多くなります。たとえば、100円のパンが20円になったならば、1000円で10個買えていたのが20個買えるようになります。デフレを物の値段の側からみてみると、物の値段が下がっていくという風に見えます。

まとめると、
インフレ:お金の価値が下がる ものの値段が上がる
デフレ:お金の価値が上がる ものの値段が下がる
ということです。

デフレが問題

ものを買う立場で考えると、もの値段が上がっていくインフレよりも、ものの値段が下がっていくデフレの方がいいように思うかもしれませんが、本当にそうでしょうか?

デフレでは、物の値段が少しずつ下がっていく状態ですから、いますぐに買いたいものを買わなくても、もう少し待てば値段が下がるから待ってみようと考える人が多くなり、売り上げが増えていきません。

売り上げが増えなければ企業の利益は上がらず、企業は給料を上げることができません。給料が上がらなければ、当然支出を増やすことは控えます。むしろ将来に備えて貯金を増やそうとするでしょう。

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そうすると世の中のものやサービスの売り上げが伸びないことになります。ものが売れないのであれば、さらに値下げして売れやすいようにしていくしかありません。こうして経済全体がしぼんで行ってしまう悪循環が続くことになります。

これをデフレスパイラルといい、日本は長くこのデフレスパイラルに苦しめられ、そこからなかなか抜け出せていない状態が続いているのです。思い返してみると「価格破壊」という、キャッチフレーズのもと、それまでのいろいろなものの値段が信じられないような安い価格にどんどん下がっていくことが始まっていた頃、あの頃がデフレの始まりだったのだと思います。

適度なインフレが良い

逆に、インフレだと人々はどのような行動をとるでしょう?インフレでは、物の値段が少しずつ上がっていく状態ですから、買いたいものは、値上がりしないうちに早く買っておこう。と考えて買う人が多くなります。お金を借りてでも今のうちに買っておこうという行動も増えます。そうして、売り上げが増えていきます。

売り上げが増えて会社の利益が伸びれば、企業は給料を上げていきます。給料が上がれば、そして、将来的にも給料が上がっていくと楽観的になれば、そんなに貯金を増やす必要を感じず、人々はもっとお金を使うようになります。

そうすると世の中のものやサービスの売り上げがさらに伸びていくので、経済全体が発展する好循環が続くことになります。(ただし、インフレ率があまりにも高くなってしまうのは良くないです)

インフレの時代では、物の値段も上がりますが、給料、収入も増えていくので、世の中に活気があふれます。昭和30年代~40年代の日本の高度成長期の頃がそうです。現在の日本では、すぐにインフレになってしまう心配はほとんどなく、デフレの時代が長く続いていることが大問題になっています。

なぜならば、デフレが長く続いているため、日本は諸外国に比べて経済成長率が著しく低い状態が続いているからです。他の国が伸びている一方、日本は取り残されている状態です。

多くの経済学者の研究によると、年率2%くらいのインフレ率(あらゆるものの値段の上昇率を平均すると、それが毎年2%ずつ上がっていく)であるならば、経済が持続的に発展していくためにはちょうど良い状態だとされています。

日本は、1950年代の戦後復興期、1960年代、1970年代の高度経済成長期には5%~10%のインフレ率で経済が大きく発展しました(20%以上の年もありましたが、これは行き過ぎです)

しかし、1990年代半ば以降一時的な例外はあるものの、マイナスあるいは、ほぼ0%付近の年がほとんどであり、デフレ時代が長く続いているのです。

デフレを終わらせることができるのか?

2013年に日本銀行は本格的にデフレ時代を終わらせることを決意し、年率2%のインフレーションを起こすことを目標に掲げ、量的金融緩和という政策を打ち出し実行しています。

日銀の黒田総裁はこの目標は2年程度で実現できると自信満々でしたが、その後8年が経過した現在(2021年)日本のインフレ率はやはり1%にも満たない状態が続いてます(2014年のみ、2.76%でした。新型コロナの影響で経済活動が縮小した2020年はマイナス0.06%でした)

日銀が本腰を入れて対策に乗り出しても解決に向かっていかないほど、デフレは非常に深刻な状態になっていると言えます。もっと別の対策が必要です。

これからの日本が発展し人々が豊かになっていくためには、現在のデフレの状態を抜け出すことが絶対に必要です。個人で解決できる問題ではなく、個人にできることは限られていますが、まずは、現状についての認識をもってみること、自分でも調べてみて、考えてみることが大切だと思います。

そもそも、どうして日本はデフレなのか?そのデフレの原因については、大きなテーマになりますので、今回はそこまで書けませんでした。また機会を改めて書いてみたいと思います。

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