公開日 2025年4月10日

トランプ政策のバイブル スティーブン・ミランの論文をチェックしよう

マーケットで大きな注目を集めている論文があります。その論文を書いたのがスティーブン・ミラン(Stephen Miran)です。
トランプ政策のバイブル スティーブン・ミランの論文をチェックしよう

昨日のマーケットが典型ですが、相互関税からわずか半日後に突然「米相互関税 上乗せ分90日停止」といったニュースが飛び出るようだと、マーケット参加者はリスクを取りにくくなります。

当然、マーケット参加者の多くは、トランプ大統領が「どういった発想、流れで政策を決めているのかについて」を模索しています。

そんな中、マーケットで大きな注目を集めている論文があります。

その論文を書いたのがスティーブン・ミラン(Stephen Miran)です。

スティーブン・ミラン(Stephen Miran)は、現在トランプ政権下で大統領経済諮問委員会(CEA: Council of Economic Advisers)の委員長を務めています。この役職は、経済政策に関する助言を大統領に提供し、経済戦略の立案に重要な役割を果たすものです。

その経済政策に関する助言を大統領に提供する立場にあるスティーブン・ミラン(Stephen Miran)が執筆した論文「A User's Guide to Restructuring the Global Trading System」(国際貿易システム再構築のユーザーガイド)がマーケットで注目を集めています。

内容を要約すると下記の通りです:

a) 問題の診断:ドル高と貿易不均衡

スティーブンは、米ドルが世界の準備通貨として機能することで恒常的に過大評価されていると指摘します。このドル高は輸入品を安くする一方で、アメリカ国内の製造業を弱体化させ、経済的不満を引き起こしています。この不均衡が、現在の貿易システムに対するナショナリスト的な批判の根源であり、貿易赤字や雇用の海外流出に繋がっていると分析します。

b) 解決策としての関税の活用

関税を主要な政策ツールとして提案し、これを戦略的に使用することで貿易条件を改善し、アメリカの競争力を高めると主張します。2018-2019年の対中関税を例に挙げ、関税が通貨相場の調整(例:ドル高に対して人民元安)を引き起こし、インフレを抑えつつ貿易赤字を是正する「通貨オフセット効果」をもたらしたと説明します。関税は単なる税ではなく、貿易相手国との交渉レバレッジとして機能し、アメリカ市場へのアクセスを「特権」と位置づけます。

c) 通貨政策と金融市場への影響

ドル高是正のために、外国為替介入や連邦準備制度による金利上昇の抑制など、関税以外のツールも検討しています。これらの政策が金融市場に与える影響(ボラティリティの可能性など)を分析し、段階的な導入や事前ガイダンスで不確実性を軽減する案を示します。

ここで気をつけたいのが、スティーブンは本論文が政策提言ではなく、可能な政策オプションの分析であると強調していることです。

あくまでも目的は、経済・金融市場への影響を評価するための枠組みを提供することと言っています。

しかし関税導入にはリスク(報復関税や短期的なインフレ圧力)が伴うものの、適切に管理すればアメリカ経済を強化しつつ消費者への悪影響を最小限に抑えられると主張しています。

つまりこの論文をチェックすると、トランプ大統領が推し進める相互関税は、スティーブンが執筆した論文「A User's Guide to Restructuring the Global Trading System」をもとに推し進められている政策だということがわかります。

この中でトレーダーが気になるポイントは「ドル高是正のために、外国為替介入や連邦準備制度による金利上昇の抑制など、関税以外のツールも検討している」といったところです。

通貨に関しては、有料メルマガ西原宏一のシンプルトレードでご紹介させていただいていますが米財務長官のベッセントも「日本では円高が進んでいますが、自然なことです」とコメントしています。

前述のスティーブン・ミランの論文とベッセント米財務長官のコメントではドル円の上値はどうしても重くなってしまうのではないでしょうか?


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プロフィール

西原宏一

西原宏一

元外資系銀行チーフディーラー。 エフピーネット(株)インベストメントアドバイザー。 株式会社CKキャピタル代表取締役・CEO。 鋭い視点のファンダメンタルズ分析が強み。

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