公開日 2025年2月5日

相続争いが増加 税理士が見落とす相続対策とは

相続税対策をして破産することもあります。どのような相続人がいるかで相続対策は大きく変わります。
相続争いが増加 税理士が見落とす相続対策とは

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より重要なのは相続税対策ではなく遺産分割

最近、相続争いが発生して相談を頂くことが増えました。
争いが発生してから相談をいただいても遅いです。
昔から、相続税対策をしたことが原因で破産したり
相続争いが起きて
相続税が増えることがあります。
骨肉の争いが何十年も続くこともあります。

この理由は相続対策が、節税ばかりを目的にし、相続人同士の争いや、相続全体の円滑化、という視点が欠けているからです。

相続で一番重要になるのは、相続自体をまず円滑化させること、
そして次に相続税対策の最適化になります。
如何に優れた節税を計画しても、相続でトラブルが起きては実行できません。
従って、節税の前に遺産分割の円滑化が重要になります。

相続対策をする上で大切な基本を分かりやすくまとめました。
基本とはいえ多くの人が気付いていないこと、専門家が見逃していることも多いです。

税理士も手を出せない相続対策

理想的な相続税対策は、実は実務ではできないことが多いです。
その最大の原因となるのは、相続人や関係者が原因で、話が思うように進まないことです。

相続人の性格や、あるいはマインドセットなどを無視すると相続対策は机上の空論になることが多いです。
多くの場合、相続人や相続人の配偶者の中に一人気難しい人がいるだけで円滑な相続が難しくなります。
各相続人の性格や人柄を考慮しないと相続争いが勃発したり、争いが激化することがあります。
相続争いで裁判ざたになることも多いです。
争いになると相続税は上昇していきます。
実は税理士が対応しない部分が、最も相続税対策において重要であるということです。

相続税対策ではなく相続対策

そもそも相続対策で大事なことは相続税を下げることではなく
円滑に遺産分割をすることです。

一例として、相続税の低減を目指すと借金をして建物を建てることが多いです。
しかし、借金して建物を建てたために次のような問題が発生することがあります。

① 破産

事業性の低い建物を建てたことで破産

② 建物や借金を誰が相続するかで相続争いが発生

③ 遺産分割できなくて相続税が上昇

節税だけを目的にすると危険だということです。

相続争いすると相続税は上昇方向なので円滑に相続することが相続対策の基本中の基本です。

相続税ではなく相続を最適化する

相続対策での最重要課題は
相続人や相続人の配偶者の性格、人柄などを十分考慮して遺産分割を円滑にすることです。
相続対策には高い視点、広い視点、実践的視点など多数の視点が同時に必要です。

全く同じ財産状況だとしても相続人次第でケースバイケース、最適化が必要なのですが、この思考ができる人が非常に少ないのです。

専門家ほど「相続人などの状況に合わせて最適化する」という思考ができない傾向があります。
また、相続関連の税法がどんどん変わっていますし、金融や不動産の市場状況や常識も変わるので、それらの変化に対応して最適化することが大事です。

相続税がかからない人

現在、被相続人(死亡者)の10人に1人に対して相続税が発生しています。

相続税が発生しないのに無駄な心配をしている人も多い一方で
相続税が発生しなくても相続対策が必要なケースは多いです。

相続税には基礎控除があるので相続財産が基礎控除以下の場合、相続税はゼロです。
基礎控除額=「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」
相続人が配偶者と子供2人だと4800万円までは相続税はかかりません。

基礎控除は過去、段階的に引き下げてきたので、今後もさらに引き下げられていく可能性があり、増税方向です。
基本的に、基礎控除の範囲で相続税がかからない場合は申告の必要はありません。
ただし、基礎控除以外の特例の適用を受ける場合には申告が必要です。

相続税がゼロでも申告が必要なケース

相続税には基礎控除だけではなく複数の特例があります。
特例の適用を受けることで相続税がかからなくなるケースも多いですが、その場合は特例の適用を受けるために申告が必要です。
一般に代表的な特例には次のようなものがあります。

① 配偶者の税額軽減

配偶者の税額軽減があります。
被相続人の配偶者が相続や遺贈により取得した遺産額が、
「1億6,000万円」または
「配偶者の法定相続分相当額」のどちらか多い金額までは
配偶者に相続税がかからないという特例です。

② 小規模宅地の評価減

亡くなった人(被相続人)の自宅や個人事業に使っていた宅地等に対する特例があります。
最大8割減となります。

③ 生命保険金の非課税枠

死亡後、受け取る生命保険金も相続財産になりますが非課税枠があります。
500万円×法定相続人の数

相続財産

相続財産の対象には次のようなものがあります。

相続財産になるもの

現金・預金
有価証券・株・投資信託・暗号資産
ゴールド・プラチナ・貴金属
骨董品・絵画・宝石・時計
保険金(本人が受取人の保険金)
保険の権利(例:相続人に掛けた保険)
自動車
不動産土地・家屋・借地権
貸付金
相続前7年間に相続人への贈与分

相続前7年間に相続人への贈与分

亡くなる3年以内に相続人に贈与した分は無かったものとされ全額相続財産に組み入れられます。
亡くなる4年~7年に相続人に贈与した分は4年間で100万円だけが組み入れ控除されます。
相続人以外への贈与は対象外なので、相続人の配偶者や子供などへの贈与にする手があります。

これは、どんどん厳しい方向に改正されてきているので、最新の情報を得ながら対処してください。

相続財産から引けるもの・債務控除

借入金・ローン
未払いの入院費用等
未払の税金等
葬儀費用等

終活

相続対策の面で終活とは財産を明確化することと整理することです。
円滑な相続が目的です。

① 財産目録を作る
② 口座のID・パスワード・二段階認証などをしっかり管理する 特に暗号資産
③ 遺言書を書く
④ 不要な不動産や相続時にトラブルになりそうな不動産などは処分する
⑤ 骨董品や絵画、NTF(ブロックチェーンで資産価値をつけたデジタル絵画など)の処分
⑥ 測量していない土地は、周りの人立ち合いで測量しておく。

(隣接地の立ち合いの無い現況測量図は売買に使用することが出来ないと思ってください)

相続登記が義務化

相続財産に不動産がある場合、相続登記が義務化されました。
相続によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記をすることに定められました。

ということは、不動産は遺産分割しやすくしておくこと、事前に売却したり、売却しやすい状態にしておくことが大事ということになります。

売却しにくい不動産は皆が相続したくないからです。
不動産ローンは生命保険(団信保険等)で清算されれば良いですが、ローンのある不動産とローンのない不動産とでは遺産分割を円滑にするようにバランス調整する必要があります。

事業承継

同族株主の保有する自社株式は、換金が難しい一方で、評価が高くなることがあります。
つまり自社株を相続することで相続税がかかるものの株を換金できないので納税できないという厄介なことになりますが、この部分は特例が充実方向です。
要件をよく理解して準備を進めることが大事です。

抜けがちな注意点

相続で抜けがちな要素には他にも次のようなことがあります。

不動産

日本では相続税が発生する人に地主が多いです。
税理士は不動産のことを知らないことも多く、税金の払い過ぎが多いです。
相続や不動産に強い税理士に相続税の税務申告を依頼することが大事です。

二次相続も考える

一次相続のことだけしか考えずに二次相続のことを考えないと、かえって税負担が増えることもあります。

相続税を減らすことは使命ではない

相続税を減らすことに生きがいを感じている人もいますが、本来やるべきことからどんどん逸れてしまうパターンも多いです。

すべての分野で最適化が無くなっている

すべての分野で個々の状況に対応して最適化するという基本が抜けています。

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プロフィール

松島修

松島修

エフピーネット株式会社 代表取締役 投資助言・代理業 関東財務局長(金商)第1898号、インベストメントアドバイザー、経済コンサルタント、ベストセラー作家

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