公開日 2024年2月21日

米国インフレ率は再上昇なのか

1月のコアCPEデフレータが発表済(2月末)の段階でのFRBのインフレへのスタンス、そして利下げ開始へのスケジュールが、今後のドル円の行くえに大きな影響を与えることは間違いないだろう。
米国インフレ率は再上昇なのか

1月コアCPIショック

2月13日に発表された米国1月CPI(消費者物価指数)が予想外に上振れたため、ドルが米金利上昇を背景に買われ、ドル円も昨年11月以来の高値となる150円88銭まで上伸した。

その後は150円台に到達したことを受けて、神田財務官や鈴木財務相から警戒発言が、重なるとともに、翌14日にシカゴ連銀総裁の利下げ開始への前向き発言がなされたことで、ドル上昇がストップ。

さらに15日には1月の米小売売上高が予想外に鈍化したことで149円51銭まで円が買い戻された。

だが、同時に発表されたNY連銀製造業景況指数やフィラデルフィア連銀製造業景況指数、新規失業保険申請件数などが市場予想を上回ったこともあり、ドルはすぐに切り返し再び150円台での推移となった。

FRBはインフレの持続的安定と雇用の維持・改善を政策目標としていることから、市場はこの2つのデータを何よりも重視している。

ましてや、ようやく「3月利下げ開始とその後の追加利下げ」という、金融緩和へのコンセンサスが形成されつつあっただけに、1月のCPI反転データは足下をすくわれた感が強い。

今回の1月CPIは、コアで前月比+0.4%への再加速であった。

そのなか、住宅関連を除いたサービスのスーパーコアCPIの前月比は、+0.85%という強烈な上昇であった。

1月は雇用の増加数(NFP)が35万3千人、失業率も3.7%と強かった。平均時給の上昇率も前年比4.5%(予想4.1%だった)に高まっていた。そんな中で労働需給の逼迫を反映するスーパーコアサービスCPIが、大きく上昇したことはインフレへの見方を厳しいものとさせた。

さらに16日に発表された1月のPPI(卸売物価上昇率)も、前月比+0.5%(予想+0.1%、12月=▼0.1%)、前年同月比+0.9%(予想+0.6%)と、予想を上回る上昇。

コアPPIは前月比+0.5%(12月までは3ヵ月連続横這いだった)、前年同月比+2%(12月=+1.8%)。サービス部門PPIは+0.6%と昨年7月以来の大幅な伸びとなった。

目下、実質労働生産性の数字(104ポイント台)が平時としてはかなり高いところにあり、スーパーコアサービスCPIを押し上げた雇用の拡大、労働需給の逼迫がなお続くことが見込まれるという。

コアサービス価格上昇が主因

FRBがインフレのすう勢を見極める最大のデータは、コアPCE(個人消費支出)デフレータであって、CPIではない。

したがって市場筋が必要以上に重視することは、どうかと思う。2月29日発表の「PCEデータ」や3月12日発表の2月CPIなどを線として捉えていくべきであろう。

ただ、そうは言っても今日の1月CPIが再びドル上昇につながったことは間違いない。ここはきちんとデータを押さえておくことは必要である。

1月の総合CPIは、前月比+0.3%)(12月+0.2%)と市場予想中央値+0.2%を上回った。

ガソリンなどエネルギーが前月比▼0.9%(12月▼0.2%)と下落幅を拡大した一方、外食、家食材料の押し上げで食品が前月比+0.4%)(12月+0.2%)と上昇したほか、エネルギー・食品を除くコアCPIが同+0.4%(12月+0.3%)と上昇し、市場予想中央値の+0.3%を上回った。

コアCPIでは、財(モノ)が同▼0.3%(12月▼0.1%)とマイナス幅を拡大した一方、コアサービスが同+0.7%(12月+0.4%)と上昇した。

財では余暇商品、情報機器などが上昇に転じたほか、自動車部品、アルコール飲料も上昇した。一方、衣料品、中古車、教材が下落に展示、医療用品、家庭用耐久品、消耗品が下落を続け、新車が下落した。

サービスでは、レンタカーが下落したほか余暇サービスが低下した。一方、自動車メンテナンス・修理が上昇に転じたうえ、帰属家賃、ホテル、自動車保険、上下水道、ゴミ収集サービス、専門医療、病院・関連サービス、医療保険、航空運賃、インターネットサービス、その他個人向けサービスが上昇した。そして賃料は前月と同率の高い伸びとなった。

コアCPIの上昇モメンタムをみると、3ヵ月前対比年率で+4.0%)(12月+3.3%)と、高い伸びに上昇し、短期的なインフレ圧力が強まった。

また、6か月前対比年率で+3.6%(12月+3.2%)と上昇しており、中期的なインフレ圧力も再び強まった。

さらに、コアCPIは前年比で+3.9%(12月+3.9%)と高い伸びで下げ渋っており、CPIを見る限り、2%のインフレ目標に向けて低下を続けると、確信できる状況ではないことが示された。

前年同月比での総合CPIは+3.1%)(12月+3.4%)と低下したが、市場予想中央値+2.9%を上回った。

コア財のCPIがサプライチェーンの改善、ドル高を背景に前年同月比マイナス0.3%(12月+0.2%)と、下落に転じた一方、コアサービスのCPIは同+5.4%(12月+5.3%)と上昇した。

コア財CPIでは、家庭用耐久品・消耗品、中古車、自動車部品、娯楽用品、教科書、情報機器が下落したほか、医薬品など医療用品、衣料、新車等が低下した。

コアサービスCPIでは、医療保険、レンタカー、航空運賃、スマホが下落し、賃貸料、帰属家賃が高い伸びながら低下した。

一方、ホテル代が上昇に転じたほか、自動車保険、専門医療サービス、病院・関連サービス、金融を含むその他個人サービスが上昇した。

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続きを読みたい方は、「イーグルフライ」よりご覧ください。
2024/2/20の「イーグルフライ」掲示板より抜粋しています。

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金森薫

金森薫

国際エコノミスト。元外為・債券・株先ディーラーという実践経験を生かした経済分析、マーケット分析。

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