公開日 2023年9月7日

ピーター・シフ(Peter Schiff)4 米国株で強いのはマグニフィセント7のみ!9月はやはり株安?(前編)

最近の英語ニュースでは「マグニフィセント7」という言葉が目につくようになりました。それ以外の米国企業の状況は悪く、米国の適正金利が4.5%となると株安のようです。
ピーター・シフ(Peter Schiff)4 米国株で強いのはマグニフィセント7のみ!9月はやはり株安?(前編)

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政府も企業も個人もこれ以上の長期金利上昇には耐えられない

米国長期債券金利は一時的に下落も、すぐに元に!

「利上げも最終局面でありこれ以上の金利上昇は知れており、価格が安いので買い」だという意見が出てきています。ブルームバーグにあるようにフィッチ格下げによる価格急落後には、ゴールドマンやJPモルガンは「長期債券の買いを推奨」していました。

しかしその後さらに価格は下落「米国国債の今年の利益は消滅」しています。25日のジャクソンホールではパウエル議長がR*にもふれず、インフレ目標2%を維持しました。FOMC議事録と同じ内容で11月の利上げ確率が上がり2年債券利回りは上昇し5%を超えましたが、10年と30年債券利回りは下落しました。

「市場は買いに出ている」ようです。長期金利は一時的には下落していくはずでした。しかし、雇用統計後には再び上昇しています。ピーターによると、「債券トレーダーは値ごろ感と魅力的な金利で買い」だとしているだけでロケットのように急上昇している「財政赤字の金利支払額を気にとめていないのが間違い」だそうです。

家の在庫がなく高すぎて購入できない日本よりも悪い状況に!

Yahoo Financeにかかれていますが、米国の住宅ローン申込みが過去28年で最低となりました。前々回の記事に書いたように既存の住宅ローン金利は3.6%。現在は7.5%で誰も転居をしたがらないそうです。購入者も減少、需要・供給ともに不足、「住宅価格は高止まり」しています。

米国大手不動産鑑定企業レッドフィンによると米国の住宅価格は5%上昇し中間値は38万ドルです。毎月のローン支払いは現在の高金利では2,649ドルです。

ウィキペディアによる米国家庭の収入の中間値は約7万ドル、5,833ドル/月でした。1000万円超で日本の倍ですね。住宅ローン支払いは45%でリーマン・ショック時の34%を抜いています。

調べた所、税率は州によって異なるので税引後収入は5.5万ドル、4583ドル/月です。住宅ローン支払いだけで実収入の58%となってしまいます。2,649ドルの「毎月の住宅ローンは賃貸料平均 2,038ドルの1.3倍」です。これでは新規購入者が増えるはずもないですよね?

「差押えなどの状況が生まれない限り供給が増えない」そうですが、現在の住宅保有者の金利は低いので、差押えが増える見込みは少ないようです。

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上記資料にあるように、30年固定住宅金利は米国10年債金利と連動しており、これ以上の金利上昇はバイデン政権の支持率低下に繋がるでしょう。「需要と供給が共に落ちたのはFEDの急激な利上げのせい」だとの批判が出ています。

金利上昇のローン支払いで低所得者の生活が苦しく消費財銘柄が下落

現在米国では決算発表中ですが、業績が弱いのが消費財銘柄です。ナイキの株価は11日連続で下落、庶民向けデパートのメーシーはクレジットカード延滞率が上昇と警告、庶民向けの小売大手ターゲットや1ドルショップのダラーツリーは盗難が増え、消費は食料など必需品に流れているとしています。

ホームデポなど「殆どの消費銘柄の第二四半期の業績は予想を下回って」います。学生ローン開始で消費はさらに落ちると予想されており、中上流以外の米国民は金利の低下を望んでいます

商業用不動産はさらに悪化

商業用不動産を巡る状況も当然悪化しています。ブルームバーグに書かれているように商業用不動産価格は利上げ後3割下落、「1.2兆ドルもの物件は債務が時価総額の8割を超えている」そうです。デフォルトリスクが高まっているわけです。「金利がさらに上昇すれば価格は下がり、デフォルト」となります。

海外勢の米国債購入がなく、利払い増加に政府も耐えられない

前回まで何度も書いたように、米国の財政赤字は急増しています。さらなる金利上昇は利払い増加となります。政府機構を停止させないために政府は大量の債券を発行、多額のウクライナへの追加援助と少額のマウイ島への支援など今後も財政支出もさらに増加させるようです。

そしてゾルタンの予言どおりに、外貨準備高における米国債券保有が急減しているようです。ブルームバーグにあるように2024年からBRICSの新メンバーとなるサウジの米国債保有が過去6年で最低となったのは想定内です。中国に関してのニュースも目にしました。

しかし、ロイターニュースは衝撃的でした。中国だけでなく日本の外貨準備高における米国債券保有量が90年代の統計開始以来過去最低となったというのです。

1位の日本は4.4%、2位の中国が3.4%、合計7.8%です。2007年には25.4%であり3分の1以下となっています。日本は米国の51番目の州と揶揄され、米国政府に従うと思っていました。チャートにあるようにその「減少率は実は中国以上」です。FEDが20%保有となっています。供給が増えているのに需要がFED以外いないのです。

金利支払いは近い将来増大する防衛費を追い抜くという予想もでています。これ以上の長期金利上昇には、米国は耐えられなくなっています

つづく・・・

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プロフィール

松田遼司

松田遼司

東京大学史学科を卒業後、内資メーカーに入社、半導体需要予測を担当。IVYリーグ系M.B.A.をアート・マネジメントとインターナショナル・ビジネス専攻で修了後は外資系半導体メーカーでアナリスト・広報・企画等を担当。その後ウェブ系外資系企業CEOを経て起業、2度のイグジットを達成。さらには内資メーカーでメディカル事業部を立ち上げ、ロンドン市場上場の黒字企業のM&Aを実現させた。

映画・写真・美術・旅行・料理・ワイン・漫画などについて造詣が深い。
自分ではなく、世の中のためになる仕事に就くことを理想としている。

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