公開日 2023年8月30日

汚染水海洋放出の真相を伝える

筆者は「海洋放出に賛成か反対か」という選択肢自体に、完全な違和感、喪失感を抱く。政府は福島原発の廃炉目標を「30年~40年後」としているが、デブリへの対処技術は現在も全く見通しがついていない。
汚染水海洋放出の真相を伝える

IAEAとは何ぞや?

汚染水の海洋放出が8月24日、遂に始まった。

岸田首相は直前に福島を訪問していながら福島県漁連の野崎会長を訪ねることもなく帰京し、あらためて官邸に全漁連会長を呼んで面会するという姿勢を取った。

政府は風評対策に300億円、漁業継続支援に500億円の基金を設けたが、これから少なくとも30年以上の期間保証としては少なすぎよう。

ところで、汚染水の海洋放出をあたかも承認したかのように報道されているIAEAという機関は一体、何なのかについて言及しておきたい。

菅政権が21年4月、関係閣僚会議(東電経営陣も参加)で、「原子力規制委員会の許可を経て、東京電力が2年程度後に放出を開始する」と、海洋放出を決定。

IAEAは日本政府の依頼を受け、昨年から米国や中国、韓国など11カ国の専門家が参加する調査団を日本に派遣。放出方法の妥当性や、東電や原子規制委員会の対応の適格性などを検証していた。

7月4日に来日したIAEAのグロッシ事務局長は、林外相との共同記者会見で、「福島原発をめぐって重要な局面を迎えている。本日午後、報告書を提出することができ光栄に思う」と述べた。

午後には首相官邸で「放出は国際基準に合致するとの包括報告書を岸田首相に手渡した。この結果は科学的かつ中立的なものだ。

日本が次のステージに進む決断を下すのに必要な要素がすべて含まれている」と伝え、岸田首相との面談後の記者会見では、「水や魚など環境に大きな影響はない。放射線が人や環境に与える影響は無視できるほどごくわずか」と語った。

海洋放出以外の選択肢はないのかとの記者の質問には、「一定量の放射性物質を含む水を薄めて放出することは中国や韓国、米国、仏など多くの国々で行われている」と説明。

数十年続く放出期間の安全性をどう保証するのかとの質問には、「福島第一原発内にIAEAの事務所を設置し、そこに居続けてレビューを継続する」と答えた。

ブロッシ事務局長は7月7日、訪韓。9日の最大野党「共に民主党」の議員の質問には、全く答えられなかった。彼ら議員らは「海に国境はない。魚は回遊する。あなたは昨日のマスコミ取材に、核汚染水は飲める。

海に捨てず、水不足国である日本が国内では飲料水や工業用水に使うように勧める意思はないか。

報告書はIAEAの一般全指針すら無視したし、海洋放出以外のより安全な代替案を検討しなかった」、「陸上長期保管や固体化などの専門家による代案を全く考慮していない」と、強烈な抗議をしたが、IAEAのトップは全く回答できなかった。

IAEA報告書は「処理水の放出は日本政府が決定することであり、この報告書はその方針を推奨するものでも承認するものでもない」と明言している。

逃げ手を打っているのだ。そうであるなら、なぜ、「報告書は、日本が次のステージに進む決断を下すのに必要な要素がすべて含まれている。人体や環境に与える影響は無視できる」などと無責任なことを言うのか。

結論を言おう。・・・

続きを読みたい方は、「イーグルフライ」よりご覧ください。
2023/08/28の「イーグルフライ」掲示板より抜粋しています。

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金森薫

金森薫

国際エコノミスト。元外為・債券・株先ディーラーという実践経験を生かした経済分析、マーケット分析。

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