公開日 2023年7月31日

クレディスイス破綻 金融の闇の衝撃

大手、名門、老舗の金融機関クレディスイスが破綻、買収され金融神話が崩れました。金融全体の信任が低下したことで新金本位制が注目されている側面もあるのでしょう。
クレディスイス破綻 金融の闇の衝撃

大手で名門老舗のクレディスイスの破綻

スイスで二番目の大手、老舗で名門の金融機関クレディスイスは昨年2022年の秋から経営不安が急速に高まっていました。
2023年3月19日にスイス政府が深く関与し、クレディスイスはライバルのスイス金融最大手のUBSが買収することになりました。

安心だと思っていた名門のプライベートバンクの破綻買収で金融への信頼、神話が崩れたのです。

クレディスイスの路線変更

クレディスイスは、比較的地味な業務に加えて1990年代に米国化して次のようなものを取り込みました。
これらはリーマンショック根本原因の一つです。
・大規模なトレーディング
・投資銀行化
 株式引き受け、M&A仲介

これらによって闇が拡大したといえるでしょう。

クレディスイスの損失

最近のクレディスイスの大型損失には次のようなものがあります。
2021年 グリーンシル・キャピタル破綻 1兆円損失

2021年 アルケゴスキャピタル破綻 5500億円損失

2022年 SNS型取り付け騒動 2兆円引き出し

クレディスイスの相次ぐ不祥事

2021年 モザンビーク汚職事件関与 540億円罰金命令

2022年 麻薬取引マネーロンダリング

2022年 顧客データ大量流出
独裁者、腐敗政治家、スパイ、犯罪者たちの不正財産隠ぺいを助けた内容が流出

金融の闇を大公開している感があります。

クレディスイスAT1債、価値ゼロの衝撃

クレディスイスが破綻し、UBS銀行に買収される際に、170億ドル(約2兆2,600億円)相当のクレディスイスのAT1債の価値がゼロになり世界の富裕層、金融市場に大きな衝撃が走りました。
クレディスイスのAT1債の無価値化を決定したのはスイス政府です。

AT1債とは(CoCo債)

AT1債(Additional Tier 1 エーティワン債)とは CoCo債とも呼ばれ
債券と株式の中間的な特性で、原則、償還期限のない永久債です。
一般の債券より高利回りですが、株のように価値がゼロになる可能性がある債券です。

債券の中でも
劣後債は、破綻後に、返さないことにできる債券ですが
AT1債は、破綻前に、返さないことができる債権です。
リスクが高い債券です。

(破綻処理前に価値をゼロにすることができる)

日本のメガバンクもAT1債発行

日本でもメガバンクを傘下に持つホールディングカンパニー、などがAT1債・CoCo債を発行しています。
みずほフィナンシャルグループ、
三井住友フィナンシャルグループ、
三菱 UFJフィナンシャルグループ

大手のAT1債も買ってはいけなせん。

説明がきちんとされていない?

AT1債は、会社が破綻処理に入る前に返さないことにできるものですが、それが認識されておらず、破綻した時の弁済の順番は株より上位だと認識されていた可能性があります。

クレディスイスが買収される時、クレディスイス株式は無価値とならなかったのに、AT1債だけが無価値になったことが大きな問題を生みました。
社債の弁済の方が株より優先すると思っていたら株の弁済が優先されAT1債はゼロにされからです。
つまり、弁済される順番が次の順番と思っていたら
①普通社債
②AT1債
③株式

次の順番になってしまったということです。
①普通社債
②株式
③AT1債(無価値化)

日本では、クレディスイスのAT1債の規定には
「クレディスイスに存続の危機イベントが起きた場合に価値はゼロになると」
とあったものの、商品説明書一式にはこの説明がなく、口頭での説明にもなかったことが問題視され、AT1債を販売した証券会社に対して訴訟となっています。

空前の債券バブルで麻痺

世界中で大規模な金融緩和(利下げ))をしてマイナス金利の債券まで登場したように、空前の債券バブルが発生していました。

一時デフォルト(破綻)懸念があったギリシャ国債(10年)は、利回り35%でしたが、なんと0.5%近くまで下げました。
一時は米国債より利回りが低下したのです。
利回りが急落したとは価格が急騰したという意味です。

少しでも運用をしなければいけないと、危険な債券、ジャンク債も買われ続けてきたことから、AT1債のリスクを考えない投資家が多かったと思います。
投資家の中にはプロも当然含まれます。

信用失墜のプライベートバンク①

スイスの秘密保持で名高いプライベートバンクの名門であり老舗がクレディスイスです。
クレディスイスは欧州型のユニバーサルバンクの代表格の一つでもあって、堅実経営と思われていました。
その クレディスイスが破綻したことは大きなショックでした。

プライベートバンクへのショックはそれだけではありません。

信用失墜のプライベートバンク②

他のプライベートバンクの担当者たちも富裕層にクレディスイスのAT1債を強く推奨していたのです。
「安心で高利回り、プライベートバンクの特別なお客様しか買えない高利回り債券です。」
という勧誘トークがあったとも聞こえてきます。

安心というトークで売った債券が突然価値ゼロになったことで、推奨していた全てのプライベートバンクの信用も下落しました。
プライベートバンクの担当者も投資のプロではなく営業のプロであったことが明確になりました。

信用を無くした金融システム

大手金融機関が発行するAT1債は、普通社債よりも金利が高いもののリスクは低い安全商品と考えられていました。
その債券が突然無価値になったことで金融全体の信頼度が低下しました。

また、今回の事件でクレディスイス以外の全てのAT1債の価格が下落したので、AT1債を購入していたり、AT1債を組み込んだ投資信託を購入していた投資家も損失となりました。

不信感が新金本位制へ導く

このような事態を見て東側諸国は西側諸国の金融機関や金融システムは危険と判断した可能性が高いです。
東側諸国の要人にも被害者はあったと思います。

今、BICSで新金本位制が議論されている原因の一つに、このクレディスイス破綻買収事件もあるのだと思われます。

合わせてお読みください。

世界の富裕者層の悩み

プライベートバンク顧客情報漏洩や
課税逃れの温床とされるタックスヘイブン(租税回避地)の利用者などを記した「パナマ文書」の流出事件。

プライベートバンクの信頼度が低下している上に、危険な投資先を推奨されて損失となる。
これらは世界の富裕者層の悩みになっています。

プロに任せられない時代です。

スイスのプライベートバンク専業大手のジュリアス・ベア Julius Bär Gruppe AG は2009年にプライベートバンクとしてスイス証券取引所 上場し、その内容が公開されています。
秘密主義ではなく、公正さが求められているといえます。

個人投資家はリテラシーを上げる時です。

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プロフィール

松島修

松島修

エフピーネット株式会社 代表取締役 投資助言・代理業 関東財務局長(金商)第1898号、インベストメントアドバイザー、経済コンサルタント、ベストセラー作家

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