公開日 2022年8月19日

なぜ景気悪化で株高・不景気の株高

世界の各相場は大事な局面です。現在、景気悪化で株高なのは犬が喜ぶと尻尾を振る、ではなく、尻尾を振って犬を喜ばそうとする相場だからです。教科書的知識では理解できない相場を解説します。
なぜ景気悪化で株高・不景気の株高

株価が動く基本ロジック

現在、米国の景気悪化の経済指標が出ると米国株(ニューヨークダウ)が上昇し、日本株(日経225)も上昇します。
また、その他の各相場にも大きな影響を与えています。

今、世界の相場が大事な局面に位置しているので、現在の株価が動くロジックを理解できるように基本から解説します。

景気と金利と株価の動きの関係性

景気と金利と株価については次のような関係があります。

景気が良いと金利も株も上昇
景気が悪いと金利も株も下落

さらに次のような関係もあります。

金利が上昇すると株下落
金利が低下すると株上昇

金利上昇するとリスク資産の株よりリスクが低い債券の方が良いと判断するために資金が株から債券に移動するから株価下落します。
また、それを見越して(期待して)株価下落します。

金利低下すると金利が低い債券よりリスク資産の株の方が良いと判断するために資金が債券から株価に移動することから株価上昇します。
また、それを見越して(期待して)株価上昇します。

景気を上昇させるために株価を上げる

政府は景気をコントロールするために次のことを行います。

景気が過熱すると金利を引き上げ「金融引き締め」

景気が過熱し過ぎるとバブルになるので、景気を冷やすために政策金利を引き上げます。
これを「金融引き締め」といいます。

景気が悪化すると金利を引き下げ「金融緩和」

景気が悪いと政策金利を引き下げて景気対策をします。
これを「金融緩和」といいます。

昔は金利を下げると企業が銀行からお金を借りて設備投資するから景気が良くなるというロジックでしたが、現在はそのような時代ではありません。
現在は金利を低くしても銀行からお金を借りる人がいないので、金融緩和策として金利引き下げだけではなく中央銀行が株や国債を買う量的緩和を行ってきました。

業績相場と金融相場

相場には業績相場と金融相場の2つがあります。

業績相場

景気が良く業績が良いと株価上昇する相場は業績相場です。
教科書に書いてあるロジックです。

金融相場

景気が悪くて株価も下落することを回避するために、政策金利を下げて株価を上げることを金融相場といいます。
現在、金融相場が10年以上続いています。
金融相場について解説されてない教科書が多いです。

リーマンショック以降の株の暴落と景気後退を止めるために、金利を下げ(金融緩和)、さらに量的緩和をすることで株価を上昇させてきました。
金融相場から業績相場に移行すると株価の上昇トレンドは継続します。

犬が喜ぶと尻尾を振るのが業績相場で
尻尾を振ることで犬を喜ばそうとすることが金融相場です。

通常の感覚とは異なるのが、金融相場といっても良いかもしれません。

景気指標が悪いと株価上昇

最近、米国の経済指標で景気悪化という報道があると米国株(ニューヨークダウ)が上昇しています。
景気が悪いと景気対策として株価を上げるために政策金利引き下げや量的緩和を期待から株価が上昇するのです。
日本株(日経225)も米国株の上昇に引っ張られて上昇します。
相場は金融緩和(利下げ)を期待しているわけですが、米国の政策金利は上昇させてきたものの2.5%しかありません。

利下げをするにも引き下げ余地は2.5%しかないということです。

また、2.5%では現在の急激なインフレに追いついていないので金利上昇は続くかもしれません。
インフレが収まったわけでもないですし悪性インフレであるスタグフレーションを相場は織り込んでいません。

それゆえ、現在の状況は大きな株高トレンドを形成するものではないと判断しています。

相場の本質を理解する

相場には、その時々に相場心理がありますので、相場の本質を理解するためには相場心理を理解することが必要です。
相場心理は次のような相場を形成します。

期待相場

今のような金融緩和・量的緩和を期待して上昇する相場を期待相場と名付けました。

催促相場

期待相場の反対に催促相場というものもあります。
株価を下落させて金融緩和をさせようとするのが催促相場です。
今後、そのような相場が来る可能性があります。

官製相場

リーマンショック以降の金融危機に陥って以降、各中央銀行が猛烈に金融緩和・量的緩和を行って上昇相場を作ってきましたが、これを官製相場といいます。

ゴルディロックス相場(適温相場)

官製相場はゴルディロックス相場(適温相場)と呼ばれる過熱しすぎでなく、かといって閑散でもない適度な上昇が続く相場です。

ご都合相場

10年以上、ゴルディロックス相場(適温相場)が続いたことから、今は上昇の材料しか織り込まず、下落材料は無視するというご都合相場ともいえる相場になっています。

その他にも相場は「分かりやすいものしか織り込まない」という原則があります。
難しい材料は無視し、分かりやすい材料しか織り込まないという性質です。

官製相場の終焉

官製相場(金融緩和・量的緩和)はデフレだったから可能でした。
中央銀行バブルとも言われるほど日銀は株を購入し、実質的に多くの会社の主要株主になりました。

ところが、現在のようなインフレになると政府はインフレ抑制のために金利を上げる必要となることから金融緩和も量的緩和もできなくなります。
つまり、官製相場の終焉の時になっていると判断しています。

10年以上、官製相場が続いたことから、プロの多くも「買えば儲かるという成功体験」しかしていない人ばかりです。
今後、プロも含めて多くの人が暴落相場で資産を失うことになるでしょう。

この記事も合わせてお読みください。

相場が間違っていると思ってはいけない

景気が悪化すると株価が上昇するのはおかしい、相場が間違っていると考える人も多いですが、そのような考え方をすると投資・トレードでは大きな失敗をします。

相場は常に間違っていると同時に、相場は常に正しいのです。
これは別の機会に詳しく解説します。

相場の本質を理解するための記事


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プロフィール

松島修

松島修

エフピーネット株式会社 代表取締役 投資助言・代理業 関東財務局長(金商)第1898号、インベストメントアドバイザー、経済コンサルタント、ベストセラー作家

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