公開日 2022年4月28日

日銀はYCCの微調整で円安に耐える

日銀は4月28日の政策決定会合を含め、どの様な政策スタンスで行こうとするのだろうか。
日銀はYCCの微調整で円安に耐える

日銀は物価上昇の質にこだわる

約20年ぶりの円安(対ドル)に対し、日銀はどう対応できるのか。4月20日には129円40銭台と130円大台の一歩手前まで円安が進行した。3月上旬の114~115円レベルから既に13%も下落している。

物価上昇に拍車がかかることから、日銀が4月27日・28日の金融政策決定会合で、何らかの対策を打ち出すのではないか、との見方もある。そうした中でIMFアジア太平洋局のパンス副局長が23日、日経の取材に対し次のように応じた。


現時点で為替介入の必要はない。通貨を安定させるための介入は市場が無秩序になり始めたときに実施すべきだ。円相場はかなりの速さで動いているが市場は円滑に機能している。

ファンダメンタルズを反映した形で円は動いている。無秩序になっていないのだから安定させようとする必要はない。円安と経常収支の悪化が連鎖する恐れを指摘する見方も根本的な懸念とは考えていない。

輸入品の価格が上がり、貿易赤字になったのは事実だ。だが同時に輸出も増え、双方向に作用している。金融緩和政策も変更する必要はない。

今後数ヵ月間は燃料費の上昇や昨年の携帯電話料金の引き下げの影響が消えることで、インフレ率が一時的に上昇するが、また下がると考える。


2%インフレの目標を持続的に超えていくまでは金融政策の変更は勧めない。至極、真っ当な見方である。

実際、20日のG7財務相・中央銀行総裁会議の共同声明でも一切の言及もなく、討議もされなかった。現時点で日銀は本格的な利上げと距離を置く。

今の物価上昇(3月のコアCPIは前年同月比+0.8%。2月=+0.6%。但し3月のコアコアCPIは前年比で依然、下落を続けている)に、持続性はないと見ているからだ。金融緩和策の転換は適切でないと考えている。

ただ、当面の物価情勢について、4月(新年度入り)以降、コアCPI上昇率が一旦、目標の2%に届く可能性がある点は日銀も認めている。

今回の決定会合でまとめる新たな物価上昇見通しも、2022年度については前回1月会合時の1.1%を1%台後半に上方修正するだろう。

ただし、これはコストプッシュ型の「悪い物価上昇」。力強い需要回復に引っ張られ、賃上げも伴う「良い物価上昇」でなく、長続きしないというのが日銀の受け止め方だ。

日銀は短期政策金利(日銀当座預金の一部金利。現行マイナス0.1%)や長期金利(10年物国債利回り)の誘導目標(現行ゼロ%程度)を引き上げる本格的な利上げには慎重だ。

FRB政策で日本の長期金利に上昇圧力

日銀は4月20日、連続指し値オペをアナウンスし、21日~26日までの4営業日に長期金利の上昇を0.25%以下に抑えた。

27、28日の金融政策決定会合を意識したオペであろう。金融政策は国内の経済・物価動向をみながら各国・地域の中央銀行が運営するが、金融市場は世界につながっている。

日銀は2016年9月以降、長短金利操作付き量的・質的金融緩和(YCC=イールドカーブ・コントロール)政策の下で長期金利を一定水準以下に抑え込んできた。欧米の中央銀行が金融緩和方向にあったコロナ禍までは、これが機能しているように見えた。

ところが、米国をはじめ海外の物価上昇は2021年にFRBパウエル議長が指摘したような「一時的」なものにとどまらなかった。

40年ぶりという急激な物価上昇に直面し、市場関係者の関心は欧米の中央銀行が「量的緩和の出口をいつ迎えるか」から、「インフレ抑制のために金利をどこまで引き上げるか」に変わった。

利上げ加速は既定路線だ。

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(この記事は 2022年04月26日に書かれたものです)

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プロフィール

金森薫

金森薫

国際エコノミスト。元外為・債券・株先ディーラーという実践経験を生かした経済分析、マーケット分析。

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